2009年03月02日

ひぞこ

漁師言葉に「ひぞこ」というのがあるそうです

100歳でお亡くなりになった
おじいの満中陰法要でのお話です


おじいが亡くなる数日前
「ひぞこ」になると息苦しそうにしておられ
満潮になるとケロッとしておられたそうです

つまり「ひぞこ」というのは干潮のことです


「ケガをしても満潮の時は血が吹き出て止まらんのじゃ」
「満月の夜は赤子が生まれてひぞこには人が死んでいくんじゃ」

と昔から伝わる教えを頂きました


100歳にもなるおじいの満中陰法要ですから
集まっておられるご親戚も高齢者ばかりです

おじいの若い頃にウナギ取りを教わったというだけあって
とてもたくさんの事を知っておられました

そのご親戚もお家へ帰られると立派におじいなのですが
法事の間はみんな子どものような目をしておられました

ともすれば亡くなったおじいからお育てを受けた気分です

ひぞこ

今や情報社会といって
インターネットやテレビを見れば何でも知ることが出来ます

しかしその時は「なるほど」と思っていても
すぐに忘れてしまうような言葉ばかりです


同じ言葉でもこのようにおじいやおばあからの
言葉は心に入ります

それは「生きた言葉」だからでしょう

おじいさんは生前からいつも
「ナンマンダブ ナンマンダブ」
と仏さまを大切にされてきました


この「ナンマンダブ」も言葉なのですが
親鸞聖人は「教行信証」の中で
「南無阿弥陀仏」こそが真実の教えと言われました


わたしたちは言葉で喜び
言葉で悲しみ
言葉で傷つき泣くのです

その様な言葉の中にあって
生死の苦海を乗り越えることのできる真実の教えこそが
「南無阿弥陀仏」というのです

それも阿弥陀如来さまの呼びかけ声だからこそ
「生きた言葉」としてわたしたちの心に染み渡り
結果として子々孫々まで受け継がれてくるのです

わからぬわたしだからこそ
何度も何度も聞かせて頂くなかで
はじめて阿弥陀如来さまの呼びかけ声と
気がつかせて頂くのです

「ナンマンダブ ナンマンダブ」

なんとも尊い言葉です


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Posted by かんべ at 21:09│Comments(0)育児
 
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